藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2009年12月22日火曜日

ECサイトで味覚を可視化するプロジェクト

ECサイトでのひとつの問題が味の表現である。アパレルについては画質の向上などでまったく判断できないということは無くなったが,味に関しては文章で表現してもなかなか難しいところがある。リアル店舗では試食という手段があるがECサイトではお店の評価や口コミを信用するしかなかった。そこでD4DRでは味覚センサーという技術をもっているベンチャーAISSY社と一緒に味覚を可視化し比較できるプロジェクトを進めている。第一弾として京橋ワインさんと共同で実験キャンペーンをスタートさせたので是非お試しを!


2009年12月17日木曜日

ルパン三世の共同マーケティング

渋谷のモヤイ像だけでなく,今週のブルータスも盗んだようだ。大阪では食い倒れ人形を盗んだらしい。実際に盗まれた場所は観光名所になっていたらし,バズマーケティングという意味では大成功。このプロジェクトはルパン三世のゲーム,パチンコ,DVDに絡む企業が同時に話題を喚起するための共同マーケティングらしい。こうしたコンテンツや共通のコンテクストをベースに話題を喚起したり,共通のターゲットへの訴求を行う試みは今後も増えるだろうし,単純に物が売れない時代にはテレビスポットいっぱい打つよりも効果的かも知れない。http://steal-japan.jp/


2009年12月13日日曜日

白山眼鏡店

眼鏡が壊れたので白山眼鏡店に修理に来た。根元からポキだったのでさすがに今回のは修理無理かと思いきや,またまた修理可能。このフレームはもう15年くらいパーツを交換しながら使っている。この眼鏡店のアフターサポートは完璧。洗浄・調整はもちろん毎回無料。こちらが望まない限り新しい買い換えを促すことは決して無い。ちなみにジョンレノンがここの眼鏡の愛用者だったと知ったのは割と最近のことでした。






2009年12月7日月曜日

大輪バラのギフト専門ショップ「カサブランカ」オープン

D4DRで支援しているコロンビアの大輪のバラを直輸入でダイレクトマーケティングするECショップ「フローラルギャラリーカサブランカ」が楽天でまずはオープンしました。クリスマスギフトなどの最適なハイセンスな贈り物にどうぞご活用下さいね!今後は独自サイトでの展開も計画しています。

2009年12月2日水曜日

コロプラと国盗りによる位置ゲームの現状と今後を語るパネルディスカッション開催

 コミュニティデザイン研究所主催で「「コロプラ」「ケータイ国盗り合戦ユーザーを突き動かす位置連動コミュニティの可能性」が開催され,私がモデレータを担当してきました。コロプラ馬場代表と国盗りの加藤マピオングループマネージャーの熱いトークに会場は盛り上がりました。両者ともに日本を元気にしたいというコンセプトが共通なのが印象的でした。実際に人を動かすことができるソーシャルゲームの力と位置情報を活用した新しいマーケティング両面の組み合わせが今後の期待大です。是非日本だけでなく海外展開も期待したいところです。ちなみにスクープとしてはコロプラも来年に向けてモバゲーなどでソーシャルアプリ展開を行うそうです。当日のセミナーのハッシュタグはこちら#cdlab






2009年12月1日火曜日

渋谷でe空間実験位置情報連動アプリ「 pin@clip(ピナクリ)」スタート!





















私がお手伝いしている経済産業省のe空間プロジェクトの実験として渋谷地域で東急電鉄中心に行う位置情報を活用したソーシャルブックマークサービス「Pin@Clip」がスタートしました。渋谷のお気に入りの場所でのつぶやきや店舗の人達のつぶやきやニュースなどが自分の場所や行動に紐付いて見ることができます。セカイカメラのようなAR機能もありカメラで渋谷の街の情報を探すこともできます!iPhone ユーザーは是非お試し下さい! 
http://www.pinaclip.jp/ 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091130-00000016-rbb-sci

2009年11月24日火曜日

「つぶやく家電」有識者座談会

総務省ユビキタス特区プロジェクトの調査で家電の利用状況をモニタリングすることで環境ビジネスなどにつなげるアイデアを議論するための座談会を六本木ヒルズのアカデミーヒルズで開催しました。出席者は村山らむねさん,ユーディットの関根さん,アイランドの粟飯原さん,カフェグローブの矢野さん,環境ビジネスエージェンシーの鈴木さんなど女性有識者としてはそうそうたる方々。よく集まってくれましたという感じです。環境ビジネスの深い話から主婦目線な話まで多岐にわたって議論されました。はじめてモデレーターをしながらTwitterでつぶやいたので詳細はハッシュタグ「#kaden2twitter」をご覧下さい!

2009年11月20日金曜日

「フリー」出版イベント@表参道

今日は「ロングテール理論」の提唱者クリス・アンダーソンの最新作「FREE」の出版イベントに参加しました。もちろん食事も飲み物もお土産の書籍もフリー!
個人的には価格戦略の方向性は「ダイナミックプライシング」今まではコストをコントローするするコストが高すぎたと感じています。ITによりコストコントロールが劇的に低下することと顧客にいつでもコミュニケーションできる環境ができることで,価格は「一物多価」になると考えています。FREEは過渡的な方法論のような気がします。



2009年11月18日水曜日

DESIGN IT! 2009で講演しました

クラウド時代のユーザエクスペリエンスをテーマにしたDESIGN IT! 2009のセッション5「コミュニケーションマネジメントから考える IT 戦略の描き方 - プロダクトアウトから顧客コミュニケーションの最適化発想へ」で講演しました。懇親会も参加させていただきました!関係者の方々ありがとうございました。

2009年11月11日水曜日

日経MJ連載「ECの波頭」第二回

第二回目は成長する携帯EC市場についてです。ニッセンの事例や携帯ゲーム,スマートフォンについてなどを解説しました。

2009年11月6日金曜日

2009年オンラインショッピング大賞受賞式

私が最終選考委員をしているEC研究会主催のオンラインショッピング大賞の受賞式でした。今年は受賞式に大賞のわんのはなのわんちゃんまで登場!

2009年10月7日水曜日

日経MJ「ECの波頭」連載開始

日経MJ(流通新聞)でECの波頭の連載が開始されました。村山らむねさん,デジハリの三淵さん,アジャイルメディアの徳力さんの4人でまわします。第一回目は年間一兆円増えるEC市場の新しいステージについてです。

2009年6月1日月曜日

日本のIT国際競争力次の戦場「リアル空間」をITで高付加価値化せよ! 照明をITの新しい社会インフラに

(2009年6月日本経済新聞電子版の「ネット時評」に掲載されたコンテンツを編集しました)

エコポイントもスタートし,我が国の環境対策は一般生活レベルでも身近な存在になりつつある。また国際レベルの地球温暖化交渉において日本も中期目標の設定を行う必要があり,落としどころをめぐり国内でも意見がわかれ議論が紛糾している状況である。ひとつの問題はCO2削減を強力に進めるとGDPを押し下げることになるというシミュレーション結果もあり,産業界の強い反対があることである。そうした中,オバマ政権も提唱しているスマートグリッドなどエネルギーとITの融合により,新しい産業創出を行うという考え方も強くなりつつある。筆者は環境対策を行いつつ新しい産業創造の施策として照明という身近なインフラをキーに新しい市場創造を行う構想を提案したい。

照明は現代社会に必要不可欠なものである。現在家庭の電力消費の16%を占めているのは照明器具の電力消費である。そこで白熱灯は生産を中止し,蛍光灯への置き換えで省エネ化を行う動きが推奨されているが,蛍光灯も水銀が利用されており(一部水銀レスの蛍光灯も開発されてはいる)環境に必ずしも優しいわけではない。そんな中注目されているのはLED照明である。最近は冬になると街のイルミネーションの主役になっているが,技術開発が進み,蛍光灯よりも年間消費電力を半分程度にすることも可能になりつつあるため,普通の照明としての利用が実用化期を迎えている。LED照明は寿命が長いことも特徴で大きなオフィスビルや商業施設ではその取り替え作業にかけているコストも膨大なものがあるため,電力コスト以外の部分でもそのランニングコストの低減効果は大きい。現在は初期コストの高さが最大の課題であるが,主要な特許が切れる時期が近づいており,初期コスト低下も見込まれている。さらに色を変えることができるメリットもある。一部の街路灯の色を青い色に変えることで犯罪や自殺を減らすことに成功している地域もあるが,色は人間の心理に影響を与えるため,エンターティメント的な利用や警告を与えるなど様々な利用シーンが考えることができる。さらに次世代のLED技術の有機ELになると画像なのか照明なのか区別がつかないような使い方も想定され,さらには形状が格段に自由にすることができる(壁一面が照明とか,柱が照明とか)などのメリットがある。そしてもうひとつの可能性が可視光通信である。光の点滅により携帯電話などのカメラが対応するだけで指向性のある通信を行うことが可能である。指向性があるため,特定の場所や範囲だけに情報を届けることができ,電波で問題になる部屋の壁を越えて漏洩することなども無いためセキュリティ的にも活用範囲は大きい。
このようにLED照明には照明以上の可能性が大きく存在する。そこで可視光通信機能だけでなく,各種センサー(赤外線や映像カメラや音声マイクなど)や無線通信機能を照明機器の中に同時に実装しユビキタスモジュール化することで,照明機能と通信機能を同時に実現するモジュール機器にして,日本中の照明を置き換えてしまうことで環境に優しいユビキタスな空間を実現することの可能性が高まる。PLCを活用すれば電力線と照明機器だけで通信ネットワークを構築することも可能である。
この新しい照明モジュールを今の照明を置き換えていくだけでビルや街中に新しい社会インフラを構築することができる。

では何故この社会インフラが重要かと言えば,次のITによる市場創造のフロンティアはリアル空間の高付加価値化であり,そのためには低コストでリアル空間に通信デバイスを大量に設置していくことが必要だからである。
例えば最近注目されているAR(オーギュメントリアリティ)という技術では,リアル空間をカメラで覗いた時などに仮想空間情報をオーバーラップさせることができるが,これまでのアプローチは詳細な空間の位置情報を元に情報をマッピングしていくというものが中心であった。しかし例えば全ての照明から固有の情報が配信されていれば,カメラを向けるだけでその場所の情報を照明から入手することなども可能になる。また飲食店などで座っているテーブル毎に別々の情報を天井の照明から配信することなども可能になる。もちろん通信方式は必ずしも可視光通信に限ることは無い。ワンセグの電波を活用してシェフが店内にいる人向けに自分の調理動画をワンセグ放送し,お客の携帯に配信するようなこともできる(現在は実験免許を申請する必要があり)。重要なのは極めて短い距離の通信手段の確保である。これまでの無線技術は広範囲を面でカバーする技術が多かったが,リアルなビジネスでは店先3mやお客さんが座っている席など極めてピンポイントの場所が重要であり,緯度経度では表現できない極めて小さい空間単位が重要になる。人々はまさにその場所でその時,その瞬間適切な情報を入手することを求めている。そのお店に入ろうかどうしょうかは店頭の入り口で判断することが多いだろうし,もう100m先まで歩いてみるかどうかはその瞬間の判断情報がそこにあると無いとで全然異なる。これまで情報の入手は自宅やオフィス,移動中の電車の中などが多く,多くの情報は事前入手型であったと言える。携帯が便利になったとは言え,まだまだ街中の自分の最適な情報を検索するための時間と手間はかなりかかる。今いる場所に限定された情報だけを簡便にデジタルで入手する手段は実は限られている。現在急激に増えているデジタルサイネージもひとつの方法ではある。しかし,全ての場所にサイネージを設置するのはコスト的にも景観的にも現実的ではないだろう。その場合は生活者が持っている携帯端末とリアル空間が通信を行うことは現実解である。
これまでのITは「いつでも,どこでも,誰にでも」通信を行うことを目指してきたが,リアルのビジネスでは「今だけ,ここだけ,あなただけ」情報を届けることで価値を生み出すことが可能になる。さらにそこに行かなければ手に入れられない情報や,そこにいるからこそ入手できる情報があることで人々の行動は変わる。事前に自宅のPCで入手した情報よりも,現実に今手に入れた情報の方が行動の意思決定に関わる影響度は大きいだろう。その結果不特定多数を人通りの少ない通りに人を誘導することができたり,ターゲットとなる人だけを看板の無いビルの最上階の店舗に誘導できるゆようになれば,地価の概念も変わるだろう。プライシングをリアルタイムで変えることで特定時間帯しか混まない店舗の稼働率を平準化することができれば,平均価格を下げながら利益率を高めることも可能になるかも知れない。そもそも冷静な状態でショッピングを行うECに比べ,リアルな空間では人間の欲望を喚起する仕掛けがたくさん用意されている。そこに人件費をかけないで適切に情報提供できる手段が加われば現在5兆円のEC市場の27倍の135兆円もあるリアルな小売り市場の活性化が期待できる。

社会インフラとなればビジネス面だけの活用以外も多いに期待できる。街路灯を全て置き換えることで,防犯インフラにもなるだろう。配信する情報はアクセシビリティの解消にも役立つ。タウンマネジメントや都市設計そのものの概念を変える可能性もある。そして何よりもこの産業群が育つことが新しい競争力としてサービス業の高度化と国際競争力に大きく貢献することが期待される。しかしリアル空間へのインフラ投資はベンチャー企業などにとっては大きなハードルとなる。しかし,ベースのインフラや基本となる情報構造の定義さえできてしまえば,後は照明を次々と置き換えることでインフラは整備され,あとはベンチャーの創意工夫により新しいサービスモデルをどんどん生み出してもらうことができるのではないだろうか。今後ITの新しいイノベーションの大きな柱がリアル空間のITによる高付加価値化であるならば,この分野のサービスモデルやプラットフォーマー,新しいデバイスををいち早く生み出し輸出産業化し,日本の国際競争力を高めることに資するためにも,日本中の照明を新しいLED照明モジュール化するような思い切った施策を今こそ打ち出す時期では無いかと考える。