藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2010年7月27日火曜日

中国と日本のECビジネスの違い

今回のコミュニティデザイン研究所の研究会ではヤフーの今村氏と中国市場戦略研究所の徐氏をお迎えして研究会を開催しました。ヤフーはタオパオと提携してスタートした相互接続のECサービスについて状況を説明してもらい,徐さんからは中国のECの現状を説明してもらいました。今回の研究会で何より一番の違いを感じたのは
「中国のECサイトではチャット機能が実装していなければ行けない」
というところでした。ある意味自動販売機的なところからスタートした日本のECと違い,中国ではインターネット利用の中にQQのようなチャットサービスが普通に溶け込む中で,店舗とのコミュニケーションは必然なのでしょう。タオパオも24時間365日1500人のカスタマーサポートがチャットも対応できるようになっているそうです。逆に日本のインターネットはメルマガ文化からスタートしたこともあり,日本のECサイトではメルマガが欠かせないコミュニケーションツールですが,徐氏曰く「中国のECでメルマガやってのダメね。」だそうで,この違いは大きいと感じました。そもそも「インターネットはリアルタイムで顧客とコミュニケーションできるツール」という原点があるなあと感じました。日本企業がTwitterにとまどうところもありますが,中国でECやるならその対応は必須のようです。

2010年7月16日金曜日

JIPDECのシンポジウムのパネルディスカッションに参加

JIPDECのイベント「次世代電子情報利活用推進シンポジウム」のセッションで慶応の武山先生,国領先生と経産省の村瀬情報経済課長と一緒にパネルディスカッションに参加しました。
私のプレゼン趣旨を要約しますと,
・利活用するなら工業化社会のIT化は終わりで,ITをベースにした新しい社会システムに移行する必要がある。
・そのためには情報の共有と流通を促す仕組みが必要。
・共有と流通を阻害するプライバシーと著作権は考え方を変えないとダメ。特にプライバシーはパブリシーと呼ばれる新しい考え方が出てきているぐらい。
・情報の共有と流通をベースにすれば知識情報そのものの価値から対価を得るような第四次産業と呼ばれるような産業モデルも成り立つ。
・そのためには既得権益に対するイノベーションを守る必要がある。イノベーションを起こす人達こそが弱者で,これからの政策は生活者だけを弱者と見るのではなく,イノベーションを起こす人達を弱者と考える政策が重要。
という感じでした。

マクドナルドの「マックでDS」がドイツでスタート!

マクドナルドの「マックでDS」がドイツの10店舗でスタートした。
これは非常に素晴らしいことだと思う。「マックでDS」はマクドナルドに行くことで初めてWifi経由で任天堂DSにポケモンのモンスターをダウンロードして入手できるなどのサービスで,日本ではスタートしてすぐに子供達がマクドナルドに殺到し,売上が向上したという効果を出しており,リアルな店舗へITを誘導する仕組みとして非常に面白い仕掛けである。これが世界企業であるマクドナルドの他の国に展開できたということは,日本のサービス業の新しい価値創造のイノベーションが輸出可能であることを証明したと言えるだろう。リアルなサービス業とゲームやコンテンツビジネスを連動させたビジネスモデルのイノベーションは大きなチャンスがまだまだあるはず。