藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2013年10月31日木曜日

ソーシャル時代に企業はどう各種ツールと向き合うべきか -ソーシャルメディアの適切な使い分け法

プレジデントオンラインに寄稿しました。あまちゃんと半沢直樹とソーシャルメディアの関係から始まり,割と今日現在のソーシャルメディア全般の使い方を俯瞰しています。
http://president.jp/articles/-/11109

2013年10月28日月曜日

docomoのABCクッキングスクール買収をもっと活かすために

docomoのABCクッキング買収にとまどう人も多いようだ。確かに通信キャリアのddocomoにとってのシナジーはわかりにくいところも多いし,新規市場への投資が広範囲なのでそのひとつとしてまずは買ってみたというところもあるのかもしれない。しかし,こうしたサービスビジネス事業者のITビジネス化はとても重要だ。実はかつて家電メーカーにABCクッキングなどへの出資を勧める資料を作成したことがある。家電量販店という顧客接点では商品視点で価格でしか勝負できない負のスパイラルに堕ちている。しかし,サービスビジネスの顧客接点はサービス価値の中に商品が存在する。美味しい料理を作る体験とともにある調理家電の価値は価格以外の要素が大きい。一方で教室型サービスの弱点は通ってくれる人が離脱していくところだ。しかしネットワーク家電の時代は顧客と繋がり続ける。自宅での簡単な調理ラーニングと教室でのハイレベルなラーニングの組み合わせ価値などは効果が高い。つまり,行動情報を捕捉し,コミュニケーション可能な家電製品とサービスビジネスの組み合わせという二次産業と三次産業のコラボレーション(実は行動データの価値化という第四次産業も混在するのだが)こそが新しいイノベーションであり,日本の新しい競争力として海外に輸出するべきモデルだと言えるのだ。例えばヤマハの音楽教室はすでに40カ国に進出している。このプラットフォームがある時にヤマハの電子楽器がネットワーク化された時に他の楽器メーカーと違う次元にいけそうなことはみなさんも想像できるだろう。docomoさん是非そのあたりよろしく。

2013年10月9日水曜日

ヤフーの「eコマース革命」よりも革命して欲しいEC3つ革命のこと

ヤフーのショッピングモール利用料無料化の影響で楽天,ヤフーの時価総額が大きく変動するなど業界インパクトは大きい。しかしヤフーの言う「革命」は大袈裟で,今回の発表はすでに参入が相次いでいた無料モデルを追随した感は否めない。あえて今EC業界の革命をあげるとすると以下の3つかな。お願いしますヤフーさん,楽天さん,アマゾンさん。 1)物流革命 ・すでに佐川がアマゾン撤退で問題が指摘されている通り,現状の物流の仕組みをもう一段効率化しなければ,即日配送モデルのさらなる短時間化と普及は難しい。単独EC事業者の投資だけでなく,物流事業者と卸までを巻き込んだ日本中の倉庫を最適化するぐらいの仕組みが欲しい。 2)検索・リコメンド革命 ・多くの人が感じているように現在のショッピングにおける検索は目的商品が明確化していればよいが,あいまいなニーズや類似商品を同時に比較などの要求にはほとんど応えてくれない。アマゾンのリコメンドも過去の購買商品ベースでしかお薦めしてくれないし,中途半端なリターゲティング広告みたいにすでに買った商品までうざく追いかけてくるやつも困りもの。かといってソーシャルメディアのたまにおっ!という商品がみつかる程度のものも情けない。もっと自分の興味関心からしっかり検索できたり,お薦めしてくれるインテリジェンスな革命を求めたい。 3)リアル連携革命 ・O2Oのいきつく先はあらゆる店舗の商品のEC化。スクエアのマーケットプレイスみたいにあらゆる店舗のPOSレジや商品マスタが自動的にEC連動していればネットでも店頭でもスマホひとつで何でも購入し,店頭在庫があれば持ち帰り,無ければ最適ルートからの取り寄せという世界が来る。こういう世界では流通はプラットフォームシステムでしかなく,商品か接客,サービスでしか個別付加価値はとれない。