藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2013年10月28日月曜日

docomoのABCクッキングスクール買収をもっと活かすために

docomoのABCクッキング買収にとまどう人も多いようだ。確かに通信キャリアのddocomoにとってのシナジーはわかりにくいところも多いし,新規市場への投資が広範囲なのでそのひとつとしてまずは買ってみたというところもあるのかもしれない。しかし,こうしたサービスビジネス事業者のITビジネス化はとても重要だ。実はかつて家電メーカーにABCクッキングなどへの出資を勧める資料を作成したことがある。家電量販店という顧客接点では商品視点で価格でしか勝負できない負のスパイラルに堕ちている。しかし,サービスビジネスの顧客接点はサービス価値の中に商品が存在する。美味しい料理を作る体験とともにある調理家電の価値は価格以外の要素が大きい。一方で教室型サービスの弱点は通ってくれる人が離脱していくところだ。しかしネットワーク家電の時代は顧客と繋がり続ける。自宅での簡単な調理ラーニングと教室でのハイレベルなラーニングの組み合わせ価値などは効果が高い。つまり,行動情報を捕捉し,コミュニケーション可能な家電製品とサービスビジネスの組み合わせという二次産業と三次産業のコラボレーション(実は行動データの価値化という第四次産業も混在するのだが)こそが新しいイノベーションであり,日本の新しい競争力として海外に輸出するべきモデルだと言えるのだ。例えばヤマハの音楽教室はすでに40カ国に進出している。このプラットフォームがある時にヤマハの電子楽器がネットワーク化された時に他の楽器メーカーと違う次元にいけそうなことはみなさんも想像できるだろう。docomoさん是非そのあたりよろしく。

0 件のコメント:

コメントを投稿