藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2006年2月1日水曜日

妄想力の時代

(このエントリーはD4DRナレッジオピニオンに掲載されたものです)
顧客志向と言われながらも顧客に聞いただけではニーズなど見えない時代にあり,ブログなどのCGM上で繰り広げられる人々の話題の中には自分のありえないだろうけど実現したいことや,本当の自分の心の叫びなどの「妄想」も多い。MIXIで流行のバトンにも妄想系は多い。アンケートやグルインなどの調査手法では見えない,声には出せないこうした妄想にこそ,市場創造型の商品やサービスのヒントはたくさん隠されていると思う。これまで妄想はなかなか話す機会がなく,個人の心の中にあることが多かったが,ブログなど独白できるメディアの登場が多数の妄想情報をみんなで共有できるようになったことで,個人の強い妄想が共感を呼び,潜在ニーズが顕在化する形で流行やサービスが生まれてくる可能性が出てきていると言えるだろう。メイドカフェやプチセレブ体験など妄想を現実のサービス化する流れも出始めているの。そしてこうした妄想を生み出せる力こそが消費を牽引していく意味でも真のプロシューマへの第一歩なのかも知れない。想像よりも強烈で構想よりも具体的な潜在的な欲望を可視化する力としての「妄想力」が大事な時代になってきたと言えるだろう。

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