藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2014年1月7日火曜日

セブン&アイが冷蔵庫を作る日

LGとLINEが提携してスマート家電を作る発表をした。確かに面白い動きではある。しかし,所詮は冷蔵庫をインテリジェントにした程度の話で過去20年ぐらい語られてきたレベルだろう。我々がこれから起こさなければいけないイノベーションは冷蔵庫の役割そのものだ。「自分で買ってきてしまう」という行為を前提にした冷蔵庫ではどんなにインテリジェント化しても限界がある。しかし「誰かが運んで来て納品してくれる」冷蔵庫になった途端に景色は変わる。ネットで注文してから冷蔵庫に納入されるまでのデータが揃えば今冷蔵庫に何があるかが簡単にわかる。次の注文までのタイミングで消費期間データも蓄積される。この冷蔵庫は後ろから納入するため,廊下面に設置されるかもしくは共同の大型冷蔵庫になるだろう。部屋の間取りからして変わる。そして中心的なプレーヤーはメーカーでもネット事業者でも無く,やはりセブン&アイのような事業者になる。セブン&アイが目指すオムニチャネルの最終形は家の中の冷蔵庫になるだろう。冷蔵庫を開けると自動的にセブンゴールドのPB商品がずらりと並んでいる世界は圧倒的な競争力だ。夢物語のように聞こえるかもしれないが新築マンションやシェアハウスにネットスーパー機能をつければすぐにでも実現できる世界だ。二次産業のメーカーと三次産業の小売りと四次産業の行動データの流通事業者の連携こそが生活のイノベーションを産み出す。O2Oとオムニチャネルの次にある世界がそこにある。そして家電メーカー復活のヒントもここにある。

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