藤元健太郎のフロントライン・ドット・ジェーピー

2014年2月16日日曜日

グローバルスタンダードとローカリティの共存


どこに行っても同じデザインと品揃えというのは安心感とも繋がる。海外旅行で不安な中で馴染みのブランドのお店を見つけた時は多いに安心できるだろう。もちろん効率という意味ではスケールメリットも様々生みやすい。しかし,スターバックスのように社名からコーヒーを外し,「サードプレイス」のコンセプトを強く打ち出せば,それは「地域でもっとも安らげる場所」を目指すことになり,コーヒー以外のものを販売してもよいだろうし,デザインだって地域性を活かしたものである方が望ましい。コンビニもそうだ。セブンイレブンの強力なブランドを生み出しているのは全国どこに行っても手に入る美味しさと安心感だろう。しかし,一方で地方に行った時に地元スーパーのあの魅力はたまらない。独特の品揃えや地元産,地場メーカーの商品を見つけた時のワクワク感はコンビニでは決して味わうことができないものだ。オムニチャネル時代になれば店舗の存在価値はまさに「サードプレイス」。ついつい立ち寄りたくなる居心地のよさやワクワク感,馴染み客として扱ってくれる接客や来ているお客さん達の雰囲気が醸成する空気感などが差別化になる。さらに多様で地域性を許容する在庫管理が可能なグローバルサプライチェーンを裏側で持っていれば完璧だ。例えば地方のスターバックスでその土地ならではの店舗デザインでさらにスタッフがセレクトしたお土産を扱うようになっていて,それは同時にアマゾンでも購入可能になっていればたちまちかなりの売上をあげる土産屋になることは間違い無い。世界中そうなれば旅行者達の拠点化することになる。コンビニでもローソンが自治体と組んで地域性を取り入れた店舗展開を始めているところが期待だ。これまでのチェーンオペレーションは部分最適の結果だ。ITが本当に目指すべきは効率的な多様性を可能にする全体最適なのだ。


ローカルな店舗デザインが楽しい「世界各地のスターバックス」

0 件のコメント:

コメントを投稿